月配列 K が 2-263 式から移動したキーの意図及び効果を列挙する。 「キーを移動してもなるべく 2-263 式での指担当と同じにして 2-263 式の打鍵感を損なわせない」を基本的な方針としている。

2-263 式ではシフト側にあった kr を単打 2 に移動した。 これはたまたまではあるが JIS かなの「ふ」と同じ位置となっている。

意図

「ふ」は全体的に見るとそこまで出現頻度の高いかなというわけではないのだが、カタカナ語で頻出するという特徴があるのでカタカナ語に強くするため。

効果: ★★☆

月配列 K は何度も配置を変更してきたがこのかなは一度も変更していないほど効果が高かった。 後述するが後から U9 特殊音拡張を取り込み「ふぁ」「ふぃ」「ふぇ」「ふぉ」を 2 打で打てるようにしたので、当初の設計よりは重要度が薄くなってしまったのも確かではある。 とはいえやはり「ふ」が単打で打てるというのはカタカナ語を含めて効果が高い。

2-263 式ではシフト側にあった kd を単打 3 に移動した。

意図

2-263 式の「中指シフトのキーが文字入力も兼ねている」という弱点を解消しつつ単打にして楽をする。

効果: ★★☆

中指シフトに文字を配置しないことによって大幅に連続シフトミスが減った。

また、「ふ」の隣に配置することによって「ふら」「ぶら」「ぷら」「らふ」「らぶ」「らぷ」のカタカナ語で頻出する連接が非常に打ちやすくなった。 月配列 K の歴史の中で「ら」は何度も動かしてきたのだが 3 の位置が限りなくベストに近いと思う。 他の右手側の単打の位置に置くと例えば「ー」や「も」あたりと干渉して良くない運指となる。 単打 3 の案以外であればシフト側左手に配置するならアリかもしれないが「ふら」関連の打ちやすさがなくなってしまう。 それ以上のアドバンテージが見込める配置ならいいかもしれない。

ゅ, ゃ (小書き文字)

2-263 式ではシフト側にあった kv kb を単打 4 5 に移動した。

意図

小書き文字「ょ」が一番頻度が高いので単打なのは分かるが、同じように「ゅ」「ゃ」も単打であるべきだと思ったため。

効果: ★★★

設計当初からこの位置のまま動かしていない。 月配列 K のアイデンティティの 1 つともいえる。 単打になっただけで非常に打ちやすいし、担当している指が変わらないので 2-263 式の打鍵感を損ねていない。 「ゃ」の 5 のキーが若干遠いのが気になることがあるが、それを加味しても非常に効果が高かった。

2-263 式ではシフト側にあった dk を単打 8 に移動させた。

意図

2-263 式の「中指シフトのキーが文字入力も兼ねている」という弱点を解消しつつ単打にして楽をする。

効果: ★★☆

「ら」と同様、中指シフトに文字を配置しないことによって大幅に連続シフトミスが減った。 巷にあるかな出現頻度表によると「も」は「ら」よりも出現頻度が高いので単打にした場合の効果が高い。 「いも」「もい」のみ同指異鍵となるが全く気にならない。

ー (長音)

2-263 式ではシフト側にあった d. を単打 9 に移動させた。

意図

2-263 式の長音 2 打というのが 2-263 式を使い始めた時点で既に打ちにくいと思っていたため。

効果: ★★★

右手小指以外に配置すると右手小指が連続する問題から解放される。 強い右手薬指が多少連続する (濁点の次に「ー」を打つ時) のはそこまで気にならない。 非常に有用だった。

よくあるのが JIS キーボードの右端のどこかのキーに配置して右手小指に担当させるというものだが、それだと「キー」などで快適ではない。 JIS かなで「キーボード」「ボールペン」と打たされた時の不快感を思い出すべきだ。

2-263 式では @ のキーにあったものをあえてシフト側 ka に移動させた。

意図

2-263 式の問題点である右手小指が連続するパターンを軽減するため。

効果: ★★☆

「ち」も何度も移動してきたかなで最終的にここに落ち着いたわけだが、まずまず打ちやすいといった印象。 「ゃゅょ」などの小書き文字とも相性のいい位置といえる。 一方、「まちまち」「よちよち」などの畳語は打ちにくいのでタイピングゲームをする際は気になることがあるが、普段は気にならない。

ぅぁぃぇぉ (小書き文字)

2-263 式のそれぞれシフト側の小指担当の文字をあえて 上段シフト側の k1 k2 k3 k4 k5 にそれぞれ移動した。

意図

U9 特殊音拡張を取り込む前は「ふ」とコンビネーションさせるためだったが、今は使用頻度の低い文字を隅に追いやるため。

効果: ★★☆

結果的にではあるが、これらを隅に追いやって後述する U9 特殊音拡張を効果的な位置に取り込めたということで効果が高かった。 尚、「しぇ」「じぇ」をカバーするためにこれらを右手最上段に配置することはできない。 そのために「しぇ」「じぇ」を他のシフト側のキーに配置するほどには必要性を感じない。

U9 特殊音拡張

月配列 U9 が備えている特殊音拡張である「ちぇ」「てぃ」「でぃ」「ふぁ」「ふぃ」「ふぇ」「ふぉ」の 7 つを月配列 K のシフト側の空いている位置に適切に配置した。

意図

カタカナ語に強くするため。

効果: ★★★

U9 特殊音拡張を取り入れた効果も参照。 2-263 式の打数が多いパターンを見事に解消しておりとても有効。