初心者・初級者向けの R1400 以下の大会

本日は NCS (日本チェス連盟) が主催する初心者・初級者向けの大会であるチェスチャレンジ 2 に参加してきた。 この大会は定員が 16 名という小規模のものだったのだが、募集して 24 時間以内に枠が埋まるという大人気大会となったようだ。 今日の 20 時から次のチェスチャレンジ 3 の募集も始まるのでこちらも忘れずにチェックしたいところだ。

尚、結果から書くと、2 勝 1 敗して 8 人中 3 位 (16 人を更に 2 つのグループに分けてのトーナメント形式となっていた) となった。 参加賞として写真の NCS ペン、そして 3 位入賞商品として NCS タオルをいただいた。 参加した感想としては、初心者・初級者向けの大会とはいっても (UR の外国の方など) かなり慣れた人が多く全く油断できないということだった。 勿論初心者の方もおり、その方々とそういった隠れた手練の方々との棋力の差が目立った (そういったことを会場でボヤいていた人がいたが、正直うなずいてしまった)。 本当はそういった隠れた手練の方々も排除し初心者同士でプレイするのが望ましいのだが、参加人数と仕組み上なかなか難しいのだろう。 だから前回 U1200 だったのに今回から U1400 になった (そのため私も参加できるようになった……が少なくとも初心者ではない) と推察している。

NCS ペンとタオル

1R アレヒン・ディフェンス・スカンジナビアン・バリエーション

1R は外国人の UR の方。 雰囲気からして何だか手慣れていそうだったので正直全く油断できなかった。 黒で 1. e4 を受けたのでいつものアレヒン・ディフェンスにしたところ 2. Nc3 なのでこれもいつものスカンジナビアン・バリエーションにした。 相手の方の 17. Bg5!? が疑問手で、ビショップを交換した後に 18... cxd4 でポーンアップ。 更に手順に Qxe5 でツーポーンアップ。 優勢となった。 その後私の 22... bxa5 が時間に追われて指してしまった悪手だったが、ここで時間が切迫してきたので棋譜をとるのをやめてしまった。 この後相手の方が最善手 (cxd5) を指してくることはなく、ゴチャゴチャとしたやり取りの後私が相手の方のルークとクイーンをフォークした。 狼狽した相手の方がクイーンを逃したが、その逃した先もナイトの射程内だった。 「えっ……」と小さく呟きながらクイーンをテイクした。 その瞬間外国人の方が「Oh...(笑) OK, OK」と呟き私も苦笑。 チェスプレイヤーあるあるなのでここは本当に共感してしまった。 これが人間の指すチェスだ。 その後も相手の方がしつこく粘ってきたので全く油断できなかった。 しかし最後は駒を清算しこちらはルークとパスポーンが残り、相手の方は何も手がかりがない状態となりリザインした。 お互い時間ギリギリまで指したので 2R までの休憩時間がほとんどなく、この時点で相当疲弊してしまった。 これが 2R に若干響いてしまうことになる。

2R バーズ・オープニング

2R はレーティングを持っている方。 一応私よりレーティングは下のようだったが、全く油断できなかった。 2R 開始前に NCS 担当の方が(初心者・初級者大会の趣旨として) 勝ち負けも大事ですが、それよりチェスを楽しんでください的なお話をされていたので、なるほどそうかと思い OTB で指したことのない作戦をやってみることにした。 私ができそうなのはニムゾ・ラーセン・アタックかバーズ・オープニング。 最近チェス実況でバーズ・オープニングで気持ちよく勝てた気がする。 これだ!と思い 1. f4 を指した。 とはいっても相手の方も特に困った様子もなく普通に対応された。 となるとそんなに指し慣れているわけでもない私としては不満だったのかもしれない。

双方ほぼ五分の戦いとして進んだが、18... g6 あたりが岐路だったと今になって回想する。 19. Nh6+ からの狙いも当然読んだが自信がなく踏み込めなかった。 19. Ng3 と撤退させて守勢に。 25. Qxf7+ をとりあえず入れて 25... Kh8 の局面でこちらのキングにバックランクメイトの危険があるのと時間が残り少ないのとで困ってしまった。 26. Ne2!? を指してしまう。 指した後にマズイと気づいたが、ただこれには相手の方も勝負手に見えたようで目に見えて困っていた。 時間が切れそうになる中指したのが消極的な 26... Qg7 だった。 とはいっても私も時間が切れそうで全く余裕がなく、普通にクイーン交換しエンドゲームに突入。 そこで棋譜をとるのをやめてしまったが、この後私がミスをしてナイトを落としてしまった。 その後小競り合いをしていくうちによく分からなくなり、私が公式戦初のイリーガル・ムーブ (キングを相手のルークの効きに動かした) をしてしまう。 このイリーガル・ムーブ、対局者双方とも気が付かず既に試合が終わって観戦している方から指摘され、私としても申し訳なくなってしまった。 アービターの方に「まだ 1 回目なので続行できますが……」と言われたのだが、既に劣勢だし棋譜を取っておらず指し手もよく覚えていないので申し訳ないのでリザインすることとした。 このあたりが競技者の姿勢としてどうなのか、というのは試合が終わった後に反省することとなった……。

3R フィリドール・カウンター・ギャンビット

3R はまた UR の方だったが、雰囲気からして指し慣れていなさそうな方だった。 なので、というのも競技者としての姿勢が問われるところだと思うのだが、ここはアレヒン・ディフェンスでなく普通に 1... e5 を選択。 前々から温めていた、とはいってもほとんど指したことがないフィリドール・カウンター・ギャンビットを指してみた。 ただ指して思ったのが 4. Nd4 に対して 4... dxe5!? とできず (5. Qh5+ からの 6. Qxe5 とされて取り返され、キャスリング放棄もしくはルークを取られる) 4... d5 としなければならないのは何だか指しにくい。 f6 にナイトが展開できないので Qh5+ を常に警戒しなければならないし、かといってビショップを展開しないと Ne7 ともしにくい。 しかもクイーンサイドのナイトも展開しにくくて指しにくい。 だから誰も話題にしないしこのためにフィリドール・ディフェンスを指したりしないよな……と試合中に勝手に納得してしまった。 試合中は私が散々警戒していた Qh5+ を指してきたが用意していた g6 を指し、そのせいでピースの守りが外れ私がピースアップ。 その後もボロボロとピースを取りつつ有利を拡大し、ちょっとこちらの駒展開が悪いのとキングが危険なのに注意を払ったが、最後はツービショップとナイトによるキレイなメイトになった。