並々ならぬ思い入れ

インターネット上でチェスがプレイできるニ大巨頭の Web サイト、Chess.comlichess のどちらかはチェスプレイヤーなら大抵の方は知っていて何かしらの活用をしていることだろう。 この Chess.com のレーティング 1500 というのは、私は Chess.com を知って間もなくしてから何としても最終的に辿り着きたい目標として掲げていた。 Blog でもやはり 2018 年 9 月 26 日に以下のように記載していた:

現時点での目標はチェス中級者の仲間入り (Chess.com ラピッド R1500 以上、できればブリッツも R1500 以上) といったところだが、先のことは分からない。

ちなみにこれを書いたあたりでチェス歴半年: Chess.com ブリッツ R1100 程度だった。 ラピッドの記録はあまり残っていないが、チェス歴 9 ヶ月の時点で Chess.com ラピッド R1300 に到達していたようだ。 今思えばチェスはじめて 2 年目に突入したあたりで少しマンネリ化して、途中一時引退してしまったりなど効果的に成長できているとは言い難い期間もあった。 最初から最後までずっと高いモチベーションで練習し続けることができていたならば 2 年程度で達成できたのかもしれない。 まあ、今更そんなことを言っても仕方がない。

そして本日、ようやく念願のラピッド R1500 を達成できた。 Chess.com ユーザ上位 5% に入っている。 難易度は微妙に変化するだろうが、狭き門であることは変わりない。 1500 に近くなっては負けて、また近づいては負けて、を繰り返して本当に苦労したので感慨深いものがある。

Chess.com ラピッド R1500

誰でも「目指せる」良い目標

成長が早いチェスプレイヤーの場合はただの到達点として軽く流してしまうのかもしれないが、前述の通り私には並々ならぬ思い入れがあった。 実際私は去年の元旦に達成したい目標として以下のように記載していた:

今年の目標としては Chess.com ラピッドのレーティング 1500 達成とする。 チェスには将棋のような段制度はないが、レーティング 1500 が大体将棋でいうところの初段程度の実力で努力次第で誰でも達成可能とみられている。 本当にそうなのか、というのを自分で実証するのが今回の自分の目標となる。 ちなみにネット上の情報を見ている限りだと NCS のレーティングは Chess.com のものより厳しいらしいので今年中 1500 は難しいとみているが、数年かかったとしても実現してみたいところだ。

結局去年 (2020 年) 内には実現することはできなかったのだが、このように今日実現できた。 そして、この時思っていたレーティング 1500 が大体将棋でいうところの初段程度の実力で努力次第で誰でも達成可能とみられているという意見、達成した今もやはり変わっていない。 ただ私は~なら誰でも可能というイディオムがあまり好きではない。 言いたいことはわかるが、多くの忙しい現代人は趣味に対し多大な時間、労力を割くほどの余裕はない。 私としては Chess.com レーティング 1500 はどなたでも目標として掲げて目指すことができるという言い方にしたい。 ちなみに私は 40 歳近くなってからチェスを始めたし、特に地頭や属性 (東大・早慶上智のような有名大学卒、医者や大学の研究員のような……チェス界隈にはそういう方が多い) が良いわけでもない。 それでもコツコツ努力すればこの程度は達成できるという一つの指標となった。 ブリッツ R1500 はまだ達成できていないが、短い時間の試合が苦手な私でも最近になって到達できそうな手応えを感じてきた。 ブリッツは YouTube のチェス実況活動でしかプレイしていないのでまだまだ時間がかかるだろうが、こちらも 1500 達成を目指す。

Chess.com R1500 の人物像

自分でなってみて改めて分かったが、自分が Chess.com R1500 で想像する人物像は以下の通りである:

  • チェスを 1 年ないしそれ以上の期間継続して真剣に練習している。適当にチェスを遊んで何となくノリで達成したという人はいない
  • 白番、黒番対 e4, d4 それぞれで得意なオープニングが 1 つないし複数あり、それぞれの細かいラインをある程度知っている
  • オープニング三原則 (中央支配・駒展開・キャスリング) の重要性を理解していて序盤にそれを意識せずとも自然に目指すことができる
  • タクティクスの得意不得意に関わらず有名な手筋 (例えばグリーク・ギフト、スマザード・メイト、Bxf7+ サクリファイスなど) に関して効果的な活用方法及び防御方法に関してある程度知っており、その局面になる前に事前に手を打っておき簡単に相手にそれを許さない
  • エンドゲームに関しては基本的な内容は知っているもののまだまだ甘い部分が多いかもしれない。ポーン・エンディングやルーク・エンディングなど課題が残る
  • 駒をタダで取られたり 1 手メイトや 1 手のタクティクスを簡単に決められてしまうことは滅多に無い (特に 10+5 以上の試合)
  • OTB (日本チェス連盟) ではまだまだ平均には及ばないものの、ある程度の実力を有した強いプレイヤーとして見られる。初心者・初級者向けの大会では難なく入賞できる (というより実力的に初級者とは言えないので OTB 未経験でもない限り参加すべきではない)

中級者の中の中級者、一言で言えば中堅プレイヤーの基準だと思っている。 ちなみに lichess ラピッドだと 1800 強ぐらいの水準だと思うが、私の体感だと Chess.com の方が相手がしぶとく厳しい印象を受けた。